兵庫県宍粟市は、播州地域(播磨国)の国造りにおいて、歴史的に大変重要な役割を担った場所とされている。
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そして、その最も象徴される場所として、播磨国風土記にも登場するのが、同市一宮町の “伊和神社” と本日ご紹介する「庭田神社」である。
国造り終焉の地とされる伊和神社のある場所、そしてその大業を祝う宴の場所に選ばれたのが、庭田神社のある景色の美しい長閑な地だったのである。
(この記事の最後に、庭田神社散歩の動画を掲載しております)
庭田神社
〒671-4142 兵庫県宍粟市一宮町能倉1286
無料駐車場:あり(神社入口前にスペースあり)
お手洗い:あり(水洗)
庭田神社は一宮町・伊和神社から、北東へと進んだ長閑な風景の広がる村の中に鎮座する。
後述するが、伊和大神が宴を開くのに、景色の良い場所を選んだと記述があるようだが、その場所は今でも風景が美しく、どこか懐かしい気分に浸れる。
神社の前には無料駐車場があり、境内には水洗のお手洗いも完備されているので、とても訪問者に親切な神社だ。
伝説の神社
冒頭から触れている通り、庭田神社は日本神話にも関係する、伝説の地として知られている。
こちらは神社にある看板の内容。
古伝によると
大国主命が天乃日槍命と国土経営を争い給いし時
伊和の地に於て最後の交渉を終られ
大事業達成に力を合せられた諸神々を招集えて酒を醸し
山河の清庭の地を撰び
慰労のため饗宴を為し給えり
この地が即ち
庭酒の里
現在の庭田神社奉祀の霊地なるにより
社殿を造営その御魂を鎮祭れりと云う
然るに
当社安永縁起に成務天皇の御代に神託に依り
新に神殿を建て広く崇敬せらる
延喜式の制小社に列し
江戸時代寛文十一年社殿改造
元禄十五年本殿屋根替
享保八年本殿屋根替
元文三年拝殿屋根替中略
明治四年本殿棟上再建
昭和四十三年五月敞殿改築
昭和四十九年十月拝殿改築現在に至る
はしょって言うと …
国造りの神・『大己貴神(おおなむちのかみ)』が、出雲国から播磨国へやって来て、各地で *国造りを行った。
そして、最後に一宮の伊和神社がある場所を訪れ、国造りが終了したことを宣言し、そこに鎮まる(後に、その偉業を称え築いたのが伊和神社)。
その後、国造りを終えた大己貴神が、その大業に尽力してくれた、諸神を招き宴を催したのが、この庭田神社のある場所である。
”山河の清庭の地を撰び” と記述があるが、神社周辺の長閑な風景を見渡すと、当時の景色を妄想せずにはいられなくなる。
どれだけ美しかったのだろうかと。
*国造り … 国土を開発し、産業を勧めて生活の道を開き、或は医薬の法を定めて、治癒の術を教えるなどして、専ら人々の幸福と世の平和を図ったこと。
気品溢れる境内
伊和大神の国造り終焉の地、伊和神社は以前レポートした通り、敷地面積がとてつもなく広い。
それに比べると、庭田神社は少しこじんまりとした印象を受ける。
しかし、境内には600年の樹齢を誇るケヤキの大木や、明治時代に建てられた本殿等の木造建築物、神聖な霊石が祀られている様子が見られ、その深い歴史に畏敬の念を覚えてしまう。
境内にあるもの全てから気品を感じ、神聖な雰囲気が溢れ出しているようだ。
まるでコップから溢れ出る冷酒のように … (!?)
日本酒発祥の地
実はこの場所が、日本酒が出来るキッカケとなった場所なのである。
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宴のために持参した干飯(かれい)を『ぬくいの水』で戻すと、一部の飯にカビ(麹)が生え、酒成分が生じて酒の発見に繋がる。
コカコーラが誕生した話(間違ってコーラシロップに炭酸水を混ぜた)を思い出さずにはいられない、凄い話だ。
しかし、この美しい場所で清らかに流れるぬくいの水を見ていると、その出来事が本当にあったかどうかは疑う余地が無いないように感じてしまう。
それ程に美しい場所なのだ。
その美しい様子はいつも通り動画に残してあるので、是非ご視聴いただき(本当に綺麗な場所なので)、酒に酔った気分でうっかりいいね、チャンネル登録していただけると、とてもうれしいです。
LINK【YouTube】播州鬼散歩が歩く、播州地域の美しい景勝地