兵庫県たつの市は小京都と呼ばれている。

龍野城城下町には今も昔を思い出させる造りの家屋が立ち並び、その風景やまさに京都の町家である。市内を流れる揖保川も有名な鴨川に見えたりする。

学生時代4年間京都に住んでいた私にとっては、あの日の思い出に浸れる癒しスポットなのだ。

そんな見る所満載なたつの市城下町は、近年観光地としての整備が著しく、新旧織り交ぜたおもしろい場所が多いのだが、それでも私が一推しなのは龍野公園周辺の散歩。

とりわけ龍野公園展望台へと上がっていく道は、NHK 大河ドラマ撮影に是非採用してもらいたい風景だ。桜や紅葉スポットとしても近隣地区の人々に人気の場所である。完レポする。



 龍野公園

龍野公園はたつの城下町の奥にある公共の広場のような場所。

公園内には数十台が停められる無料駐車場が隣接され、花見や紅葉の繁忙期以外は余裕を持って停められる。

先ほど触れた龍野公園展望台がある山への入り口にあたり、週末はピクニックをしたり、ボール遊びをする子供連れのご家族がよく見られる。

龍野公園までの道はじゃっかん狭めの場所もあるが、SUV 車なども通っているので車の取回し面での心配はいらないだろう。

(動画でレポート)

 周囲を散歩

城下町周辺には龍野公園だけでなく、観光客向けの無料駐車場がいくつかある。公共交通機関で言えば、JR 本龍野駅が最寄駅(徒歩20分ほどかかるが)になる。

どういった手段でここに来るか関係なく、この辺りの小京都感を感じてもらいたい。

厠と書かれた公衆便所があったりと、かなり綺麗に整備されていることが分かる。忍者はいないので安心して欲しい。

いい意味で一昔前の雰囲気がある小学校や、様々なレトロ感ある建物が旅好きの心を揺さぶる。そうして見えてくるのがこの龍野公園前の美しい光景だ。



 さくら道

龍野公園前の通りを上っていくと、一面の桜が目に飛び込んでくる。こんな大変な時期だが、自然の美しさだけは変わらずほっと出来る一時かもしれない。

本日目指すのはこの龍野公園前から見える山の中腹あたり。低い山だが、散歩道が綺麗に整備され、結構な数の階段を登る必要があるため、熱消費量は大だ。

その階段ダッシュまでの道のりにあるのが、「さくら道」と呼ばれる桜で囲まれた遊歩道。夜になればライトアップされたり、たつの市で最も桜が美しく見られる場所としてよく紹介されている。

ここまでは道もなだらかで、お年を召した方でも安心して来ていただける。

 修行道

さきほどのさくら道を通り抜けると、古い趣のあるお寺が見えてくる。

とても不思議な雰囲気のあるお寺だ。寂れているようで、しかしどっしりとした貫禄を感じる。

その後、まるで侍が修行への道のりに使ったような(どゆこと?)、木に囲まれた通りが続く。この鳥居を抜けるとさらに周囲の空気が変わる気がする。

長い、長い、階段が続く。

道中お会いしたこのお二方も展望台を目指していたようだが、「まだ続くの?」と相当足に効いていた様子。

疲労感漂いながらもすっきりした表情が印象的だった。

 頂上

龍野公園展望台に着くと山の中腹あたりから城下町の街並みを見渡すことが出来る。

しかし、気になるのは展望台よりもその反対側にあるさらなる階段。「こりゃだめだ」と上るのをためらう人続出なほど急で長い階段だ。

「一体いつ作られたの?」と言いたくなるほど凸凹に凹んだ石の階段。大正時代だろうか?江戸時代以前ならロマンがある。

そしてこれを上りきると、遠くの山まで見える光景が。街の向こうに連なりを見せる山々が美しい。

自粛でたるんだ体は外へ出て散歩するのが一番良いのが分かる素晴らしい場所だ。